明けましておめでとうございます。なずなです。
それは実家でまったり紅白を見ながら夕ご飯を食べ、2022年を迎えた直後に起こりました。
新年最初の楽しみである、日テレの「おもしろ荘」で今年はどんなキワモノが出てくるのか見ながら微睡んでいたときです。
・・・。
・・・ん?
・・・なんか胃が気持ち悪いぞ???
10分後、1月1日の午前1時30分頃、トイレで新年初嘔吐をかましました。
まさか初夢の前に初嘔吐するとは文字通り夢にも思っておらず、新春早々軽いパニックを起こしながら胃の内容物を結局全て吐き出し、俺が何をしたんだと大晦日の行いを思い返していたのですが、寝ぼけた頭では「微睡んだ脳みそにあっぱれ婦人会の激しい映像と音声が流れこみ脳が拒絶反応を起こした」みたいなわけの分からない結論しか出ず、その日はそのまま胃のしくしくした痛みとともに就寝しました。
大体のことは「寝て起きれば治ってる」が信条で、学生時代徹夜で麻雀した帰りに気胸を発症したときもまずは寝た私なのですが(翌日入院しました)、残念ながら翌朝になっても状況はあまり改善しておらず、周りの人に状態を説明しながら吐き気止めや胃薬の類を飲んで少しお休み。胃は相変わらずしくしくしますが食欲はなくはなく、お雑煮を少しだけ食べてみたところ胃の痛みが少しよくなりました。
横になって冷静になると、仕事柄色々と思いつくところがあります。
せっかくこんなクソ記事を読んでくださってる皆様に心ばかりのライフハックなのですが、具合が悪いときは
・いつから(急にきたのかじわじわ来たのか)
・どんな時系列で
・どこが
・どんな風に
・どんなときに(よくなったり悪くなったりするか?)
・どれくらい
・ほかに症状はないか
・そのほか(心当たりなど)
みたいなことを個別に考えるとまとめやすいです。
今回の症状は
・1月1日の午前1時頃から急に
・最初は胃の不快感、次いで嘔吐が
・胃はシクシクと痛む。よくなったり悪くなったりする
・胃にものが入ると少しよいような気がする。空腹だと少し痛む
・寝れないほどではないが横になっていたいくらいの辛さ
・ほかの症状は特になし。下痢していない。
・大晦日にお刺身を食べた。でも私以外は元気。
みたいな感じになります。
あっぱれ婦人会はたしかに強烈でしたが流石に翌朝まで引きずることはないでしょうから、恐らくは胃に何か起こったのだろうと推察します。胃が気持ち悪いけど下痢はしてないし、他の人は元気なので胃腸炎でもないでしょう。となると本命はアニサキスかな~、なんて考えました。冷静を装ってますがこのときはまだ実家の布団の中で「アゥ~~…」とか言ってます。
アニサキスというのは魚の寄生虫の一種で、魚を生食したときに誤って一緒に食べてしまうことで問題となります。胃に入ると胃壁にかみついて、のたうち回るような激痛を引き起こすと言われています。キモいので画像は出しませんがスーパーのパックのお魚に紛れてたりすることもあり、お刺身を食べる文化の日本で生きている以上、知っておくべき知識といえます。加熱か冷凍で死ぬので、刺身用でないものはしっかりと処理をしましょう。ちなみに治療は胃カメラで直接除去するのが一番はやいです。
アニサキスかな~、という考えはありつつも、のたうち回るほど胃は痛くないし、空腹時に胃が痛むのは十二指腸潰瘍とかもそうだよな~、でも急に発症してるしな~みたいなことを考えていたら少しだけ痛みがよくなった気がしたので実家から帰ることにしました。悲しいことに翌1/2は朝から泊まりで翌日まで仕事だったのです。
アニサキスなら最悪なにもしなくても胃の中で数日で死ぬので「このまま少しずつ良くなるならアニサキスってことでよいかな」と考えながら自分の家に帰宅します。
そして実際少しずつ良くなっている感覚を覚えながら数日過ごしていた(なんとちゃんと仕事もしました)のですが、1/3の夜に再び気持ち悪くなり嘔吐をしてしまいました。
「自然によくなっていればアニサキス」理論が崩壊したなずな君、大丈夫だとは思いつつもこうなると大丈夫じゃないパターンもわずかながら脳裏をよぎります。
「あなたが死んじゃったらと思うと眠れないよ~~!!」と言い残してグーグー寝息をたてている妻を横目に一人心に決めます。
よし、胃カメラやろう。
1/4は仕事だったので出勤し、上司に事情を説明して有給を申請。同時進行で合間の時間に胃カメラができるクリニックを探します。
やろう、と思い立ったはいいものの、実際胃カメラってそんな「今日やってる?」みたいな感じですぐにできるものなのかと心配に思いつつ、評判がよさそうだった市内のK胃腸科内科クリニックに電話してみたら、なんと翌1/5に予約をとることができました。すげえ、本当にやることになった。
予約が確定してから、胃カメラへの恐怖心がじわじわとわいてきます。
だってあんな…あんなの…口の中につっこむなんて…しかもずっと繋がってるなんて…
イメージ映像(実際の映像とは異なります)
クリニックのホームページを見ると、どうしても怖かったり、飲み込むのが難しかったりする場合、鎮静薬を使って眠って行うこともできるとも記載されていたのですが、それはそれでまたちょっと怖いし、もうどうしようもないです。普段自分がいかに己の欲せざるところを人に施していたかを再認識して、皆偉いなぁ…と思いをはせずにはいられませんでした。「胃カメラは大丈夫!私もできたから!」と言い残して寝息を立てる、経験者の妻を横目に不安を抱えて私も眠りました。
翌朝はいつもよりゆっくり起床して、朝食は抜いて予約の時間にクリニックへ。胃カメラは胃が空っぽでないと検査を受けられないので要注意です。
まだまだ恐怖心はありましたが、クリニックの受付では「全然大丈夫ですよ~」みたいな顔をして問診票と胃カメラの同意書を提出。鎮静は起きるのに時間かかっちゃうとやだし、検査自体は10分くらいだろうから気合いで乗り切ろうと腹をくくって受付に申しこみました。
すると受付のお姉さんが驚いた顔で「鎮静しないのですか?」と。
曰く「はじめての方で、特に若い男性の方は反射が強く出てしまって苦しい思いをすることが多いので、鎮静することをオススメしてます。眠ってる間に終わるので全然苦しくないですし、終わった後も大体30分から1時間くらいで起きて帰れますよ。」とのこと。
そ、そういうことなら…
くくった腹を2秒でほどいて鎮静の同意書にサイン。
妻にお迎えのお願いをします。鎮静薬を使った場合、その日は車の運転や判断力を要する仕事などはしてはいけないとのことです。
その後、軽く問診をしてから検査前の準備に。
まず鎮静薬を使うための点滴ルートを確保します。分かってはいますが痛い。
同時並行で胃をきれいにするためにまずいポカリみたいな味の特殊な水を飲みます。分かってはいますがまずい。
そして検査室へ。看護師さんにベッドに横になるように指示されます。まな板の上の鯉という言葉がぴったりの絵面です。
横になった状態で喉の麻酔薬を口に吹き付けられて飲み込むよう指示されます。歯医者で使う痛み止めと同じ成分のやつですが、これが飲むととても苦い。思わず顔をしかめたら「苦いですよね~」と笑われました。ほどなく口の中や喉がもわもわとしびれた感じになってきて、痛み止めが効いてきたことを感じます。
そしていよいよ本番です。医者先生がやってきます。しびれた口で「おねぁいしぁす」と言うと看護師さんが「じゃあ鎮静薬使いますね~」と。
きたな鎮静薬。本当に効くのか?何使うんだどんな感じで眠くなるんだやっぱり少しこわあああああぁぁぁなんだこれ脳がしびれりゅぅぅぅぅぅ~~~…………
「はい検査終わりましたよー。」
この声で気がついたときには、なんともう検査が終了していました。
鎮静薬やべえ...なんだこれ.…
少しふらふらとしながらソファに案内されて30分ほど待機。
人によるのかもしれませんが私はもうソファに案内されたくらいからほとんど覚えています。待機中もスマホいじってたり目つぶったり。よく言われますがイメージ的にはそこそこ酔っ払っているくらいの意識レベル。シャドバやる気にはならなかったのを覚えてるのでそのくらい。でも検査のことは本当になにも覚えてないです。鎮静薬やべえ…
結局検査終了後1時間くらいソファでゆっくりして、大丈夫か聞いてくるレフェリー(看護師さん)に「いけます」とファイティングポーズをとったところで結果説明。
結果は「多分アニサキスだと思うけど、もういなかったから確定ではない」とのことでした。1カ所アニサキスがいたっぽい痕跡があって、それ以外は非常にきれいな胃と十二指腸だったから状況証拠的に、ということのようです。
ということで、これにて一安心です。アニサキスももういないということで、きっと僕が不安と戦っていたこの数日のどこかで消化されて僕の糧となったのでしょう。
ついでにピロリ菌もいなさそうと分かったのが良かったです。幼少期じじいに連れられて山の湧き水とか飲んでたので可能性は十分あると思ってました。
現金なもので、朝までは少し傷んでいた胃も何もないと分かった瞬間に痛みがよくなってきました。無罪!勝訴!
お迎えの車に乗る頃には痛み止めの麻酔も切れてきて、お水も無事に飲めたので、お昼にお祝いラーメンを食べて帰宅。胃の中をのぞくだけであれば1時間程度空ければ食事も特に制限ないようです。
ただ帰宅後はなんだかんだ夕方まで寝てしまったので、鎮静薬は多少なり午後まで引きずるのかもしれません。シンプルに怠惰な可能性もある。
こんな感じで、初めての体験をした貴重な一日でした。
胃カメラは予約さえすれば存外に気軽に行える検査で、鎮静薬を使えば苦痛なく行う事ができるということが分かりました。
備忘録的な記事ですが、何か皆様の参考になれば幸いです。
以上、駄文ここまでお読みいただきありがとうございました!
それでも俺はお刺身を食べるが?