こんにちは、なずなです。
最近youtubeなどの広告でしきりに目にするようになった「○○でんきがお得!」のような広告。
一昔前は電力といえば地方の大手電力会社の一択というイメージで、東北に住んでいる僕はもちろん東北電力さんに長年お世話になっていたのですが、最近は電力も自由化がすすんでおり、調べてみたら出るわ出るわ、無数の「○○でんき」。
各社様々なプランを出しており、「ポイントがたまる!」と言ってみたり「基本料金無料!」とうたってみたり「使えば使うほどお得に!」と言ってみたり、縮尺おかしくない?って言いたくなる棒グラフで安さを演出してみたり、言いたい放題なわけですが、結局のところ気になるのは「実際どこが一番いいの?」ということ。
多くの電力会社の料金プランについて、月に何kWhだといくらくらいになって何kWh以上だとどこがお得で…という試算はとてもじゃないけど人力ではできない、と思ったところで唐突に一つの天啓が舞い降ります。
「Excelにまとめたらいいんじゃない?」
これまでの人生でも仕事でもエクセルなんてほとんど触ってきていないのですが、計算とか色々、すごい人が使うとすごい便利らしいということは知っていたので、ひとまずやってみることにしました。ここで頑張って僕も文明人の仲間入りするんじゃい!
step1:調査対象をpick upする
google検索で色々調べて今回試算した電力会社は下記の通り。
自分が現在東北在住なので、東北で申し込みできる会社の東北の電気料金を調べました。
東北電力 | よりそう+eバリュー |
ENEOSでんき | 基本プラン |
ENEOSでんき | 2年とくわり |
ENEOSでんき | 2年とくわり(3年目以降) |
auでんき | 基本プラン |
auでんき | ecoプラン |
コスモでんき | スタンダード |
コスモでんき | dポイントプラス |
あしたでんき | 標準プラン |
あしたでんき | たっぷりプラン |
HISでんき | PRIME |
HISでんき | ママトク |
リミックスでんき | 電気代割引プラン |
リミックスでんき | 仮想通貨付与プラン |
リミックスでんき | つかいどくプラン |
Looopでんき | おうちプラン |
シンエナジー | きほんプラン |
楽天でんき | プランS |
エルピオでんき | スタンダードプランS |
オカでん東北 | シンプルプラン |
親指でんき | いいねプランB |
おうちでんき | 基本 |
ONEでんき | 基本 |
ミツウロコでんき | 従量電灯B |
ミツウロコでんき | 従量電灯Bシングル応援 |
アストでんき | ブライトプラン |
アストでんき | 基本料金ゼロプラン |
TERASELでんき | TERASELでんき東北B |
TERASELでんき | 超TERASEL東北B |
J:COM電力 | 家庭用コース従量B |
Natureスマート電気 | フラットプラン |
まちエネ | きほんプラン |
TOELLでんき | 標準プラン 従量B |
TOELLでんき | まとめてプラン300 |
TOELLでんき | たっぷりプラン 従量B |
そらエネでんき | 基本プラン |
よかエネ | 基本プラン |
NEXTでんき | シンプルプランB |
多すぎだろ…
でも後で除外するのは簡単なので、データ収集の際は収集密度を妥協しないというのはこういうのの鉄則だと思い、暇を見つけてこつこつデータ入力していきました。
Step2:電気料金計算の式を考える
電気料金は基本的に
「各A(アンペア)毎の基本料金+使用した量に応じた料金」で構成されています。
従量は「0~120kWhまで」「120~300kWhまで」「300kWh以上」の3段階で料金が変わる仕様となっており、要は電気を何kWh使ったかによって計算式を変更させる必要があります。
※本来は上記にさらに燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金といった金額が追加されるのですが、これに関しては各社共通であったため今回の記事では説明を省略します。
電力料金の一例:東北電力 従量電灯B
(東北電力ホームページより引用 https://www.tohoku-epco.co.jp/dprivate/menu/menu_lightb.html )
さて、計算式の場合分け。はるか昔、中学か高校の授業でIF式でそういうことができたような記憶があったため試しにそれでやってみようと思います。
A1に電気使用量を入力し、B1, B2, B3に段階的な電気料金を入力するとして
=IF(A1≦120, A1*B1, )
ここで積む僕氏。3つ以上の条件の場合分けってどうやるんだ?
でも僕がやりたいと思う程度のことは絶対にExcelでできるという確信があったため、早速Googleで検索したらすぐにでてきました。なるほどIF式の中にIF式を入れるのか…
少し調べてから作成した式がこちら。
=IF(A1<=120, A1*B1, IF(120<A1<=300, B1*120+B2*(A1-120), B1*120+B2*180+B3*(A1-300)))
これで試算してみたところ、120kWh以上にすると計算が合わなくなる不具合が発生。
エクセル有識者の方なら原因がすぐお分かりになるでしょうか。僕は30分くらい悩んでGoogle先生とにらめっこしてました。
30分後に原因が判明して修正した式がこちら。
=IF(A1<=120, A1*B1, IF(A1<=300, B1*120+B2*(A1-120), B1*120+B2*180+B3*(A1-300)))
最初の大きなIF式でA1≦120の場合を除外できているので、中のIF式ではその条件が不要だったのでした。とはいえ不具合起こさなくてもよくないか
場合分けの式が完成したので、あとは基本料金を追加するだけ。
電気料金の式は「=基本料金+上記IF式」でめでたく完成しました。
Step3:段階的な割引の式を考える
続いて考えたのは段階的に割り引かれるポイントや値引き。
例えばauでんきは「電気料金が5000円までなら1%、8000円までなら3%、それ以上であれば5%」のPontaポイント還元があります。
でもこんなものIF式を覚えた僕の敵ではありません。
=IF(電気料金<5000, 0.01, IF(電気料金<8000, 0.03, 0.05))
還元率のセルにこのIF式を入力して、あとはもらえるポイントのセルに「=電気料金*還元率」を入力すればOK。
同じような感じで段階的な値引きもIF式でオールオッケー。値引きのシステムがうっとうしすぎてIF式の5段マトリョーシカみたいな式ができたこともありましたが問題なく動いてくれたのでよかったです。IF式しゅごい……
電気料金ともらえるポイントや値引きの式が出来たので、最終的なお値段のセルには「=電気料金 - ポイント」の式を入力してひとまず完成。
step4:電気料金やポイントの端数を切り捨てる
電気料金もポイントも、小数点以下の数字がバンバン出てきていたためなんとかする必要がありました。
ポイントは当然ながら端数切り捨てでしょうが、調べてみると電気料金も1円以下の端数は切り捨てとのこと。
昔の授業を思い出し、四捨五入はたしかできたよな…とか思いながらGoogle検索。当然切り捨てもROUNDDOWN関数によって簡単に出来るのでした。
端数を切り捨てたいセルの式をまるっと=ROUNDDOWN( )でつつんで、最後に切り捨てる位を入力するだけ!簡単!すごい!
今回は小数点以下の切り捨てなので
=ROUNDDOWN(式, 0) で完了ですね。
こんな感じになりました。
step5:別タブで結果をまとめ、安い会社をピックアップする
計算した結果だけを見やすく表にまとめて、比較検討をしやすくしたいなと思ったので、別タブで「お値段 - ポイント」の結果だけを表にまとめました。
また、電気使用量を入力した結果、安い会社をピックアップして光るようにしてみました。これは「ホーム」タブにある「条件付き書式」の「上位/下位ルール」を使ったらすぐにできました。
step6:最安だけ一目で見えるようにする
結果まとめのタブに、すぐに最安が分かるようにしたいなと思いました。
指定範囲の最小値を検索するにはMIN関数を使えば簡単なのですが、その最安値がどの会社なのか表示することに難儀しました。
求められるコマンドは「指定したセルの左隣のセルを表示する」のような感じ。
↑これが最安値の場合、結果の数値だけでなく会社名とプランも抜き出して表示させたい
調べたら、INDEX関数とMATCH関数を組み合わせた方法が出てきました。
INDEXは指定範囲A内で上から何番目のセルを表示させる、のような関数
MATCHは指定したセルが指定範囲内で何番目かという数字を表示させる、のような関数
※このへん難しかったので間違ってたらすいません
最終的には
=INDEX(指定範囲A,MATCH(MIN(最安値を求める範囲),指定範囲B,0))
という式で理想を実現させました。
(最後のゼロはよく分からんけど基本ゼロでよいらしい)
ここに関してはもうちょっとスマートなやり方がある気がしないでもないですが、まあできたのでよいでしょう。
できあがったものがこちら。
我ながらそれっぽいものができたとなかなかご満悦。
Excelぽちぽちいじってるのめっちゃ楽しかったです。
文明人はこんなに面白くて便利な道具を使って生きていたのかぁ…
今後アップデートするとしたら「12か月の電気使用量を入力することで年間の電気代を概算する機能」とかでしょうか。12か月分の計算シートを別タブで作って、まとめの表に反映させればできそうなので、時間と熱意があればって感じですが、そこまで大がかりにしちゃうと電気料金が変わったときとかに反映させるのが面倒そう。
最後になりますが、本記事はPRやステルスマーケティングの類ではなく、特定の電力会社をオススメしたりするような意図は全くございません。記事内の図表ででてきた「最安値」の欄にある電力会社もあくまで「月額使用料が100kWh」の場合のものです。ご留意ください。
それではこのへんで。駄文ここまでお読みいただきありがとうございました!
完成したツール、もし興味ある方いればご連絡くだされば。